林遣都 撮影/山田智絵
「一見、変人のように見える役かもしれないですが、自分としては、そういうアプローチをするつもりはなくて」
7月16日スタートのドラマ『初恋の悪魔』に鹿浜鈴之介役で主演する林遣都。脚本の坂元裕二が当て書きしたというこの役について、こう語る。
当て書きだが、共通点探すのは難しい
元県警捜査一課刑事だが今は境川署刑事課所属、しかも大きなヘマをして現在停職処分中の鈴之介。
15歳から家にひきこもり、ミステリー小説を読みあさっていたという人物で、その結果、古今東西の凶悪犯罪オタクになった。
たしかに、プロフィールからはかなり変わり者に見えるが……。
「鈴之介は人とコミュニケーションをとることが得意ではなくて。本や映画など現実世界と離れたところに惹かれるものが多く、それを心の拠り所としてきた人。
変わっているというより、とても素直に生きてきたんだと思います。好きなものと純粋に向き合ってきた結果、どういう人間になったのかということを常に考えています」
当て書きなので、林遣都=鈴之介なのかと思いきや、「自分との共通点を探すのは難しいです」と苦笑。
「鈴之介は虚構の世界にハマって生きていますが、自分は真逆で。『スター・ウォーズ』のようなSFやファンタジーなど、現実離れした映画や本は好きなのですが、見ている間だけその作品に没入して楽しんでいるので。その時間だけ別の世界に連れていってくれて、難しいことを考えずに見られるものが好きなのかもしれないです」
と言いつつ、「周りから見る林遣都の印象とは違う、新たな側面を描いてもらっている気がします」とも。
「鈴之介は人と違ったことをやりたがるのですが、自分にもそういう面があるのかもしれないと感じながら演じています」
仕事じゃないときは、もっと抜けています(笑)
“小洒落てこじれたミステリアスコメディー”というキャッチフレーズの今作。林自身の小洒落ている部分を尋ねると、
「うーん……、ないですね(笑)。粋なこととか洒落た言葉遊びとか、そういったものは自分には皆無だと思っているので。
不器用ですし、いろいろなことを気にして考え事をしていることが多いです。しゃべるのも遅いし、歩くのも遅い(笑)。軽快なイメージからは、かけ離れていると思います」
では、こじれている部分は?
「しゃべってみると意外にイメージと違うと言われることが多いです。ということは、こじれているように見えているのかなと(笑)。しゃべるのは得意じゃないですが、人と接したり楽しい時間を共有することは大好きですし、親しい仲間といるときはすごく話します」
仕事の場とプライベートのときとでは、「全然違うのかもしれない」と自分でも感じるそう。
「現場では、人に見られているということを意識してスイッチが入っている状態というか。仕事じゃないときは、もっと抜けていると思います(笑)。
会話がなくても居心地がいい関係の人といることが多くて。何もしゃべらず一緒にお風呂屋さんに行ったりとか、そういう時間を共有するのが好きですね」
作品を目の前にすると「全身全霊で向き合わなければ」という気持ちから、考え事をする時間がとても増えるという。
「最近も、本当にそうですね。坂元さんが見いだしてくれたこの役、自分の力が問われているなと感じていて。不安や怖さもありますが、魅力的な役にしたいですし、多くの方にドラマを見ていただけるように、頑張ります!!」
──ハマっていることは?
「最近、神社に行くのが好きで。御朱印帳も買ったし、お守りもその都度買っていて、気づいたらけっこう集まっていました。神社は自分を見つめ直したいとき、逆に何も考えたくないとき、覚悟を決める瞬間、気持ちの整理をしたいとき……僕にとって、そういった機会を持てる場所なんです」
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