1月8日から放送がスタートする大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)。松本潤ふんする主人公・徳川家康に多大な影響を与えた人物として登場する、駿河の戦国大名・今川義元を演じる野村萬斎が、自身にとって29年ぶりとなる大河ドラマ出演への思いや、作品の見どころなどを語った。
本作は、これまで数々の作品で映像化されてきた徳川家康の生涯を、ドラマ「リーガルハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの脚本家・古沢良太が、新たな視点で描く物語。萬斎は台本を読んだ感想について「キーワードとしては“王道を説く”ということなんだろうなと感じました」と述べると、演じる義元について「家康が生まれた時代というのは戦乱の世であり、まさしく覇道をかけて戦う群雄割拠の時代。戦うことは避けられないのですが、そのなかで義元というのは、家康がその後に目指した理想的な国づくりに影響を与えた人物、カリスマ的な存在であり、人格者という捉え方をしました」と語る。
近年、義元像は多岐にわたって表現されることが多い。2020年放送の「麒麟がくる」では片岡愛之助が義元にふんし、武術に優れた屈強な男として描かれた。萬斎も「今川義元という武将については諸説ありますよね。以前はお歯黒を塗った公家のような人物造形もありましたが、近年は勇猛な武将でもあったという描写もありました」と前置きすると、「家康は義元にとって人質であり、それは事実なのでしょうが、国家というものをどう考えるか……など思想的に家康に大いに影響を与える存在。身をもって家康に何かを授ける人物だったのでは」と本作における義元の解釈を述べる。
脚本の全体的なイメージとしては「いい群像劇になっていると思います」と語ると「松本潤くん演じる元康(のちの家康)が、修練しているところがしっかりと描かれており、そこに付随する人間関係も見て取れる。視聴者がいろいろな人物に自身を投影できるという意味では、非常に見やすい物語になっていると思います」と解説する。
義元は師匠的な立場として、家康に「王道と覇道」を説く。家康役の松本については「あまり話し合いをしたわけではないのですが、個人的に松本くんの演出家としての才能みたいなものは、とても尊敬できる部分だなと思いました」と、松本の俯瞰して作品を見る目を絶賛。「義元自身も、人質としてやってきた元康に才能を見出すわけですよね。その分、悲しいかな、自分の息子(今川氏真)には強く当たってしまうのですが。でも松本くん自身がとても才能をお持ちの方なので、義元と元康の関係性がリンクして、とてもやりやすいなとは思います」と印象を述べた。
萬斎にとって大河ドラマ出演は、1994年放送の「花の乱」で室町時代の武将・細川勝元を演じて以来、実に29年ぶり。「まだ当時は20代でしたね」と懐かしそうに話し出すと「そのときは三田佳子さん、先代の市川團十郎さん、さらに萬屋錦之介さん、京マチ子さんなど、銀幕のスターというか、時代劇を背負っているお歴々の胸を借り、真剣に食い入るように見ながら、どうやったら対抗できるのか、一種の他流試合のような緊張感を持って臨んでいたような気がします」と振り返る。
久々の大河の撮影現場だったが「いろいろな部分が変わっていますよね。以前は本かつらだったものが、いまは地毛を交ぜたものになっていますし、衣装も昔は時代考証そのままのものでしたが、今はオリジナリティーを出すために工夫がなされています。後ろにLEDウォールを立てて、そこに映像を流して撮影することで、ロケに行ったかのような映像が撮れるなんて今ならではですよね。技術の革新に驚いております」と変化を目の当たりにした心境を述べていた。(取材・文:磯部正和)
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