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報ステのCMが「悪質」な理由。「ジェンダー平等を掲げるのは時代遅れ」と描き、批判が集まっている - ハフポスト日本版

YouTubeテレビ朝日の公式チャンネルより

テレビ朝日「報ステ」2021年新PRの一場面

テレビ朝日の報道番組『報道ステーション』のCMに、ネット上で批判の声が上がっている。

CMは3月22日、テレビ朝日の公式YouTubeチャンネルに公開され、報ステの公式Twitterなどでも紹介されている。

15秒30秒の2種類があり、いずれも「これは報道ステーションのCMです。」というテロップから始まり、仕事から帰宅した女性が、誰かに対して話しかけているという内容だ。

「『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」

30秒版のセリフは下記の通り。

「ただいま。なんかリモートに慣れちゃってたらさ、ひさびさに会社に行ったら、ちょっと変な感じしちゃった」

「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって。どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」

「化粧水買っちゃったの。もうすっごいいいやつ。にしてもちょっと消費税高くなったよね。でも国の借金って減ってないよね?」

「あ、9時54分!ちょっとニュース見ていい?」

最後に女性の顔の上に大きく「こいつ報ステみてるな」というテロップが入る。

15秒版のセリフはこうだ。

「ただいま。いい化粧水買っちゃった。消費税は高くなったけど、今のうちにお肌に手かけておけば裏切らないじゃん、って思って。あ、9時54分!ちょっとニュース見ていい?」

ネット上ではこのCMに対し、「女性をバカにしている」「こいつ呼ばわりして上から目線」「同じCM、出演者を男性にして作れますか?」などと多くの批判が寄せられている。

「一番の問題は、ジェンダー平等が達成されているという間違った認識に立っていること」

ジェンダー問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんは、今回のCMについて、主に3つの問題点を指摘する。

「一番の問題は、ジェンダー平等が達成されているという間違った認識に立っていることです。番組CMとはいえ、報道機関のものなので、事実に基づかなければいけない。なぜ、『ジェンダー平等は達成されている』かのように描いたのかを問いたいです」

日本のジェンダーギャップ指数は世界153カ国中121位であり、政治や企業、地域社会などさまざまな分野における格差解消は喫緊の課題となっているのが現状だ。

また、CMの中に「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的に掲げてる時点で、何それ、時代遅れって感じ」と笑うセリフがあることについて治部さんは、「現状ある差別の解消に取り組む人を『笑う』のは、差別の上塗りです」と指摘する。

そして3つ目の問題点として指摘するのは、こういったセリフを「女性に言わせる」という構図だ。

「『ジェンダー平等は達成されている』という間違った認識にたったセリフを女性を起用して『言わせて』いる。『若い世代は、女性は、“差別なんてない”って言ってますよ』という構図にしているのは、本当に悪質だと思います」

(湊彬子 @minato_a1 ・ハフポスト日本版)

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