渡辺明名人(38)に藤井聡太王将(20)=6冠=が挑戦する第81期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局1日目は、最近のタイトル戦では珍しく、戦型が定まらないまま、じっくりとした進行が続いた。名人戦では初めて副立会を務める解説の三枚堂達也七段(29)は「激しく駒がぶつかっていないので、一手で大差がつく将棋ではない。2日目も比較的じっくりした将棋が見られるのではないか」と話した。
以前は角換わりをよく指し、桂馬の使い方がうまいことから「桂の貴公子」の愛称を持つ三枚堂七段。「最高の舞台に最高の対局者がそろったので、どんな戦いになるか、注目しないところがない」と今期名人戦への期待を表した。
渡辺名人の先手番と決まった開幕局。最初のポイントは名人が角道を止めた9手目の▲6六歩。わずか1分の考慮時間で指され、角換わり戦がなくなった。「予定の作戦で、激しい研究勝負より、ゆっくりした将棋を指しましょうという意思表示ですかね」と三枚堂七段。対する藤井王将は16手目に△7四歩と突き、緩急どちらにも対応できる構えを見せた。
その後も互いに手探りの進行が続き、藤井王将も△4四歩と角道を止めた。この手に渡辺名人が46分考えたところで、正午から1時間の昼食休憩に入った。
再開後、渡辺名人は▲3七銀(25手目)と上がり、一転して速攻を狙う。三枚堂七段は「趣旨からするとあべこべに映るが、藤井王将の△6四歩(22手目)に対応した高度な駆け引きがある速攻。後手は6三歩型のままにしておけば、将来角を6筋に転換して先手の右銀の動きをけん制できる。しかし△6四歩と突いたため角を転換できず、先手は▲3七銀と上がりやすくなった。渡辺名人は後手の構えを見て急戦にシフトしました」と解説する。
ただ、その後も均衡を保ったまま進み、渡辺名人が43手目を封じて1日目の戦いが終わった。三枚堂七段は形勢について、「棋士によって判断が分かれるくらいかなり難しい。自分は玉の安定度に勝る分、やや先手を持ちたいが、後手も桂馬がさばけている上、飛車も使いやすく、互いに主張がある局面です」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
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