スープ専門店のスープストックトーキョーが子ども連れの来店者向けに離乳食を無料提供することに関して、一部で批判の声が上がっていることを受け、同社は4月26日、公式サイトで「特定のお客さまだけを優遇するような考えはない」という声明を発表した。自社の理念に基づき、取り組みを続ける方針だ。
25日、全店舗で離乳食の無料提供を開始した。同社は「世の中の体温をあげる」という理念の下、食事に制約がある人を助けようと「Soup for all!」という食のバリアフリーの取り組みを推進している。
こだわりの素材を使った離乳食の提供もその活動の一環。飲食店では離乳食が手に入りにくく、子ども連れの客が外食をためらう要因になっているとして、生後9〜11カ月の幼児向けに、これまでも一部の店舗で無料提供していた。好評だったため、取り組みを全店舗に拡大した。
こうした取り組みを自社の公式Twitterアカウントで発表すると、称賛の声が相次いだ一方、一部から「子ども連れはすぐには帰らないので、回転率が悪くなる」「座れなくなる」などと批判の声も噴出していた。同社は小型店舗が多く、1人で来店する客も多い。
一連の反応に対し、同社は「私たちは、お客さまを年齢や性別、お子さま連れかどうかで区別し、ある特定のお客さまだけを優遇するような考えはない」と強調。批判の声には「実際にお越しいただいた際には、狭い店内ではサービスが行き届かずご不便をおかけすることもあるかもしれないが、心を込めてお迎えする。どうぞ気兼ねなく利用してほしい」とコメントした。
今後に向けては「世の中の環境の変化が激しい中、社会が抱える課題もさまざまだ」とした上で「それらを私たちが全て解決できるとは思っていないが、小さくてもできることもあるとまじめに思っている。ひとつひとつだが、これからも『Soup for all!』の取り組みを続けていく」と取り組みの継続を明言。
「私たちのスープやサービスに価値を見出していただける全ての方々の体温をあげていきたいと心から願っている。皆さまからのご意見を受け止めつつ、これからも変わらずひとりひとりのお客さまを大切にしていく」と意気込んだ。
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