12月26日から開催中の「RTA in Japan 2021 Winter」で、ファミコン版「ドラゴンクエストIII」のRTA(リアルタイムアタック=クリアまでのタイムを競う遊び方)が行われ、まさかの「50秒でクリア」という超絶記録が打ち立てられました。もうゾーマを倒していたのは過去のことなのか……。
「ドラクエIII」のRTAが行われたのは3日目、28日の20時ごろから。昨年(2020年)の「ドラクエIII」RTAでもタイムを競い合った、ピロ彦さん、ひっしーさん、ばくぜろさんの3人が、並走しながらタイムを競うスタイルで行われました。ちなみに昨年優勝したのはひっしーさんで、タイムは22分07秒(関連記事)。このときは「ファミコン本体をホットプレートで暖める」という謎の儀式が話題となり、当時はネット上でも「ホットプレートRTA」として大きな話題になっていました。
今回のレギュレーションは「Any% 任意コード実行」という、前回以上に何でもアリなルール。昨年のホットプレートからさらに進化し、ついに「ゾーマを倒さず直接エンディングを呼び出す」方法が確立されたため(関連記事)、3者それぞれの方法で「いかに早くエンディングを呼び出すか」というRTAになりました。
3人のうち、ピロ彦さんとひっしーさんはドラクエIIIのほか、ファミリーベーシックのカセットとキーボードを使用。ゲームが始まると、ピロ彦さんは素早くファミリーベーシックにカセットを差し替え、何やら謎の呪文をキーボードで打ち込んでいきます。そして再び素早くドラクエIIIに差し替え、王様に話しかけると……あれ、もうエンディング始まった!?!?? バグ技のせいで画面表示がおかしくなっていますが、無事にエンディングのファンファーレが流れはじめ、ゲームクリアとなりました。公式のクリアタイムは50秒ですが、実際に操作していた時間は40秒もありませんでした。一体どういうことなの……。
今回のレギュレーションにある「任意コード実行」というテクニックは、超ざっくりと説明するなら「ゲーム中に何らかの命令(任意のコード)を書いてファミコン本体に送り、それを強制的に実行させてしまう」という“究極のバグ技”のようなもの。今回、ピロ彦さんとひっしーさんは「ドラクエIIIを起動したままファミリーベーシックに差し替え、キーボードで特定の文字列を打ち込む」という方法でエンディングフラグをいきなり召喚(これでもざっくりすぎる説明ですが……)。あとは再びドラクエIIIに差し替え、王様に話しかけるだけでゲームクリア――となったのでした。
ちなみに2位はひっしーさんで2分46秒、ばくぜろさんはファミリーベーシック法が確立される前の「Dr.Mario」「星のカービィ 夢の泉の物語」「ファイナルファンタジー」を使う方法を使用し、クリアタイムは8分34秒でした。
今回優勝したピロ彦さんは、スピードラン界では「破壊神」「またピロ彦か」といわれるほど、さまざまなゲームで新しい攻略方法を生み出してきた、スピードラン界の革命児。今回使われた「いきなりエンディングフラグを立てる方法」もピロ彦さんが発見したもので、まさに発見者にふさわしい貫禄のプレイとなりました。ちなみに今回はピロ彦さんに王座を譲ったひっしーさんでしたが、自己記録では「36.8秒」というタイムを出しており、現状の最速記録はまだひっしーさんが保有しているそうです。
RTA in Japanは、ゲームの開始からクリアまでのタイムを競うRTAの祭典。現在行われている「RTA in Japan 2021 Winter」は12月26日から31日までの開催で、この後も「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の体験版クリア(プレイ制限の5分間でエンディング到達)、伝説のゲーム「ファイナルソード DefinitiveEdition」の100%クリアなど注目のタイトルがめじろ押しとなっています。
※画像はRTA in JapanのTwitchより
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