山田太一さんは東京 浅草生まれ、早稲田大学を卒業後に松竹に入り、木下恵介監督の助監督として映画作りに携わりました。
そして、1965年には脚本家として独立し、1976年からNHKで放送された「男たちの旅路」は、鶴田浩二さん演じる元特攻隊の警備員と戦後生まれの若者が世代間のギャップから激しくぶつかり合いさまざまな社会問題を浮き彫りにした作品で、大きな反響を呼びました。
また、学歴や容姿に劣等感を抱く若者たちを描いた「ふぞろいの林檎たち」をはじめ「岸辺のアルバム」、「早春スケッチブック」など数多くの名作ドラマを手がけました。
山田さんのシナリオはすべてオリジナルの作品で、同時代の倉本聰さんや向田邦子さんとともにそれまで地位が低かったシナリオライターの社会的地位を高めました。
一方、映画化もされた小説「異人たちとの夏」では山本周五郎賞を受賞するなど小説やエッセーでも高い評価を受けています。
近年、山田さんは、東日本大震災をテーマにしたドラマを手がけるなどしていましたが、6年前に脳出血で倒れたのをきっかけに執筆活動をやめていました。
その後は、川崎市内の施設で過ごしていましたが、先月29日、老衰のため亡くなりました。
89歳でした。
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