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二宮和也、『マイファミリー』で新たな一面 サスペンスの核にあるホームドラマの本質 - リアルサウンド

 あなたの家族が誘拐された。犯人は人質と引換えに大金を要求している。警察に通報すれば娘の命はない。そんな時、あなたならどうするだろうか? 4月10日から始まった日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)は、とある家庭に起きた誘拐事件を扱う。

 ゲーム会社社長の鳴沢温人(二宮和也)と妻の未知留(多部未華子)にかかってきた電話。自動音声で娘の友果(大島美優)を誘拐したと告げ、警察に連絡しないこと、5億円と引換えに友果を返すことを条件として示す。唐突に始まった誘拐事件で、被害者の父親である主人公・鳴沢温人を演じるのは二宮和也だ。日曜劇場の登板は主演を務めた『ブラックペアン』(TBS系)以来となる。それにしても、これほど憔悴しきった二宮を目にするとは正直想像していなかった。虚ろな目で力なく微笑む温人は、画面の中で生気のない表情をさらしており、これまでにない二宮の一面を見せていた。

 ホームドラマ? サスペンス? それとも刑事ドラマ? あるいはそれら全てかもしれない。私たちは何を観ているのだろうという疑問は、時間の経過とともに強くなっていった。危機に直面した家族が試練を乗り越えて一つになる令和のホームドラマという予想は、当初こそ誘拐犯の要求に応じる温人と未知留の苦悩を描いていたが、すぐに誘拐事件をめぐる関係者の動きへとスイッチし、ドラマが進むにつれて異なる様相を帯びる。

 最初に違和感を覚えたのは、鳴沢家に現れた警察の捜査員を見たときだ。警察用語で被害者を意味するマル害対策リーダーの葛城(玉木宏)は、マル害対策で一番重要なものを尋ねられて「料理の腕前」と即答。葛城たちの役目は、事件解決まで鳴沢家に寝泊まりし、温人たちのサポートと犯人への対応をアドバイスすることだが、どうやらそれだけではないらしい。葛城は「我々を家族の一員だと思って信用してください」と言うかたわらで、温人と未知留を監視。2人のいないところで温人を「面倒なタイプ」と警戒し、未知留を「取り込む」と発言するなど裏の顔があった。

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