将棋の第15回朝日杯将棋オープン戦本戦準々決勝、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)対永瀬拓矢王座(29)戦が16日、名古屋市の名古屋国際会議場で行われ、先手の永瀬が109手で藤井を下した。藤井は5年連続ベスト4進出を逃し、2年連続4回目の優勝はならなかった。
両者とも持ち時間の40分を使い切って1分将棋となり、超ハイレベルな攻防戦となった。最終盤は相手の猛攻を必死に受け、逆転を狙ったが、届かなかった。終局後、藤井は「若干、主張が通せた部分もあったと思うんですけど、その後攻め込まれる展開になってしまい、ちょっと判断ミスがあったかもしれない」と振り返った。
朝日杯は持ち時間各40分の早指し棋戦で、全棋士が参加。藤井は16日に行われた本戦1回戦で船江恒平六段(34)を破り、ベスト8に進んでいた。18年、中学生の時に同棋戦初優勝。過去4回出場して3回優勝を飾るなど圧倒的な強さを見せてきた。5回目の出場で初めてベスト4進出を逃したが「結果は残念ですが、内容をしっかり振り返って、次につなげたい」と話した。
昨年11月には竜王を獲得し、19歳3カ月で史上最年少4冠、史上初の「10代4冠」となった。現在、渡辺明王将(名人・棋王)と第71期王将戦7番勝負を戦っている。第1局を勝利し、勢いに乗り、史上初の「10代5冠」を目指している。
これで直近10局は6勝4敗と、藤井にとっては“不調モード”。王将戦7番勝負第2局は22日に大阪・高槻で行われる。トップ棋士としてハードなスケジュールが続くが「少しでも内容を良くしていけるように頑張りたいと思います」と気持ちを切り替えた。【松浦隆司】
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