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窮地の藤井竜王、9分で見切った手 佐々木七段「気づいたら負けに」 - 朝日新聞デジタル

【対局Live】▲佐々木勇気七段ー△藤井聡太竜王【第80期将棋名人戦・B級1組順位戦】

 将棋の藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・王将・棋聖と合わせ五冠=が9日、第80期将棋名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終13回戦で佐々木勇気七段(27)に勝ち、成績を10勝2敗として初のA級昇級を決めた。

 攻め込まれて窮地に立たされたが、土俵際でしのいで形勢逆転。薄氷の勝利で、名人挑戦権を争う舞台への切符を手にした。勝負の最中、急所の局面を前に何を考えていたのか。両者に聞いた。

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佐々木勇気七段との名人戦B級1組順位戦最終対局を終え、日付が変わったあとも感想戦に臨む藤井聡太竜王(中央)=2022年3月10日午前0時33分、東京都渋谷区の将棋会館、角野貴之撮影

 対局は東京都渋谷区将棋会館で9日午前10時に始まった。

 佐々木は2017年、藤井のデビュー戦からの連勝を29で止めて名を挙げた棋士だ。今期順位戦でここまで9勝2敗の藤井は勝てば昇級が決まるが、7勝4敗の佐々木には昇級の可能性がない。だが、「藤井さんとの対局を楽しみにしていた」という。

 先手の佐々木は得意の戦型である「角換わり」に誘導し、事前に研究していた仕掛けを敢行。藤井は1時間34分の長考を強いられ、苦戦を意識したまま中盤戦に突入した。

 夕方になって藤井が反撃を見せたが、佐々木はひるまず攻め続ける。終盤に入った段階でも、持ち時間を1時間ほど多く残している佐々木がペースをつかんでいたが、▲7五桂の王手に対して6三の玉が7四に逃げた図1が問題の局面だった。

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図1・△7四玉まで

 佐々木はここで▲3二銀成と指した。△同飛に▲3四香が狙いの一手だが、△7七角成▲同桂△8二飛(図2)が落ち着いた対応。ここから佐々木の苦悩が始まった。

 ▲9六角が厳しい手に映るが…

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