米アカデミー賞の授賞式で、俳優のウィル・スミスさんがコメディアンのクリス・ロックさんの顔を平手打ちした騒動。プレゼンターを務めたロックさんが、スミスさんの妻ジェイダさんの髪形を揶揄(やゆ)する「ジョーク」を言ったことが原因とみられる。「タブーのない芸」で幾度となく話題になったロックさん。一体どんな人?【大野友嘉子/デジタル報道センター】
過去にアジア系「ジョーク」で抗議も
ロックさんは27日に開かれた授賞式で、ジェイダさんに向かって「『G.I.ジェーン2』が待ちきれないよ」と発言した。「G.I.ジェーン」は1997年の映画で、俳優のデミ・ムーアさんが坊主頭で海軍特殊部隊兵を演じたことから、ロックさんはジェイダさんの刈られた髪を冷やかしたとみられる。ジェイダさんは2018年に脱毛症を公表していた。
ロックさんの「ジョーク」は過去にも波紋を呼んでいる。
ノミネートされた俳優全員が白人だったことが問題視された16年のアカデミー賞授賞式。米NBCニュースによると、このとき司会をしたロックさんは、アジア系の子どもたちを登壇させ、「アジア系は数学が得意」というステレオタイプを強調した寸劇を披露。「ジョークに腹が立った人は、携帯電話でツイートしてください。ちなみに、その電話はこの子たちが作ったものです」と発言した。
これについて、俳優のジョージ・タケイさんら25人のアジア系アカデミー会員たちが、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーに抗議の手紙を送ったと、米メディアThe Hollywood Reporterは報じている。
白人社会に痛烈な批判
ロックさんとは、どういう人物なのか。…
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