TBS系連続ドラマ「ザ・ガードマン」などで人気を博した俳優の川津祐介(かわづ・ゆうすけ、本名・川頭祐一=かわず・ゆういち)さんが先月26日に死去していたことが3日、分かった。86歳だった。
関係者によると、川津さんは昨秋ごろから体調を崩し療養していたという。2009年、75歳で京都造形芸術大学の客員教授を務めたほか、プロ級の腕前を持つ絵画展を定期的に開催するなど勢力的に活動。講演やトークショーなども行っていた。
東京都生まれ、神奈川県育ち。慶大在学時に、映画監督だった兄の縁で木下惠介監督から誘われ、1958年に映画「この天の虹」でデビュー。実力派俳優として人気を博し、65年から6年続いた「ザ・ガードマン」では荒木隊員役でレギュラー出演し、激しいアクションが話題となった。
88年のNHK連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」では、山口智子演じるヒロイン・純子の父親役で好演。俳優業以外にもフジテレビ系「くいしん坊!万才」の5代目リポーターや東海テレビ「てれび博物館」の司会を23年間務めるなど、MCとしても活躍した。
多趣味でも知られる元祖マルチタレントだった。絵画や陶芸では個展を行うほか、趣味の料理を生かしてレストランオーナーも務めた。88年には、自らのダイエット経験をつづった著書「こんなにヤセていいかしら」を刊行し、ベストセラーになった。
私生活では、64年に松竹ニューフェイスの女優だった愛沙さんと結婚し1男3女をもうけ、ファミリー作品展を毎年開催するなど仲良し一家としても知られた。95年には虚血性心疾患のため緊急入院。死を覚悟するほどの症状だったが、7時間の大手術を乗り越え奇跡の生還を果たした。17年にはNHK・Eテレの「ハートネットTV」に愛沙さんと2人で出演し「老老介護」をテーマに自らの経験を語っていた。
◆川津 祐介(かわづ・ゆうすけ)1935年5月12日、東京都生まれ。58年に映画「この天の虹」でデビューし、映画「風花」(59年)、「けんかえれじい」(66年)などに出演。「ザ・ガードマン」のほかTBS系「Gメン」などでも存在感を放った。兄・川頭義郎さんは映画監督(72年死去)。次女の川津愛さんはかつて女優として活動した。
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